製法
土の準備・成形
素地となる土を用意するには、まず、土に含まれている小石などのあらい不純物を取り除かねばなりません。
さらに、水をくわえてかき混ぜながら溶かし、より細かな不純物をとり除き、精製します。
このように、水をくわえて粒子の細かい土をつくることを水簸(すいひ)と言います。
水簸は、必要に応じて数度にわたって行われることがあります。
こうして精製された土をそのまま使う場合もあれば、数種類の土を練りあわせることもあります。また、砂やきめの細かい石、すりつぶした貝殻、あるいは一度焼いた粘土を粉砕してつくった土などを混ぜることもあります。
土をよく練ることによって、土中から空気をぬき、焼成時の破裂を防ぎます。
陶磁器の成形には数多くの伝統的な方法があります。
道具を使わず土の塊(かたまり)から直接作りだす手捻(てびねり)、紐(ひも)状にのばした土を巻きあげたり輪状につんで作る紐作り、板状にのばした土をつぎあわせる板作りや、回転台やろくろを用いる方法があります。
また、石や籠、土や石膏(せっこう)の型の内側や外側に土を押しつけて作る型作り、液状にした土を型に流しこんで作る方法もあります。
実際には、これらの方法を組みあわせる場合が多いです。
ろくろは前4千年紀に発明され、陶工は自由自在に陶磁器を成形できるようになりました。ろくろには、手でまわす手回しろくろのほか、棒でついて動かすろくろ、ろくろの下方につけたはずみ車を足で蹴ってまわす蹴(け)りろくろなどがあります。
陶工自身が回すほか、助手が回すものもあります。20世紀には、モーターでまわす電動ろくろが開発され、回転速度が自在に調整できるようになりました。