陶器と磁器の違いとは
陶器とは、簡単にいうと土でできている器のことです。
一方、磁器とは土ではなく、主に石の粉末を練ったものでできています。(厳密に言うとそんなに簡単な組成物ではありませんが、ここではわかりやすく主原料で分けています。)
ご家庭にある食器のほとんどが、磁器製品です。
それはなぜか。
磁器は通常陶器より高い温度で焼かれる事が多いです。
そのため、陶器より硬く焼き締まります。その結果、破損しにくい品ができるわけです。
また、白い石粉を練ってあるので、出来た製品も白く清潔感があります。そのため、企業などの大量生産品として、磁器はうってつけの素材なのです。
陶器か磁器かを知る方法としては、指先ではじくと、陶器は「ボコッ」、磁器は「キンッ」といった感覚が得られると思います。
また、透光性も磁器の方が高く、日光に照らすと光が通過したように見えるのが磁器の特長でもあります。
それぞれの素材が違うので、触った時の感覚も違ってきます。
磁器は石ですから、冷たい、硬い、軽そうといった感覚です。
一方陶器は土でできていますから、温かみがある、やわらかそうと言った感覚があります。
作り手の立場から言えば、成型に関しては、陶器の方が作りやすいです。
土は粘土ですから、比較的自由な形を成型できます。
磁土は粘性があまりないので、形を成型するのにかなりの技術を要します。
企業などで、型ものを大量生産するのには、磁器は簡単に成型できますが、職人の手作業となると、かなりの熟練技が必要なのです。