製法
釉薬
釉薬は一種のガラスで、ガラスを組成している珪砂などの鉱物に、鉛、灰、ソーダ、錫(すず)などの融和剤をくわえて作られます。釉(うわぐすり)とも言います。
釉薬は焼成されると成分が溶けてガラス化し、陶磁器は吸水性がなくなり、表面が平滑になり、そして装飾されます。釉薬は焼成する前か、素焼をしたのちにかけられます。
釉薬には多くの種類があり、素地の色を強めたり、素地をすっかり覆い隠したりします。
中東地域でよく用いられるアルカリ釉は光沢があり、しばしば半透明の状態になります。
この釉は、主として珪土や硝石、硝酸カリウムのようなソーダで作られています。
鉛釉は透明で、硫化物あるいは鉛の酸化物で融和させた砂でつくられ、伝統的に多くの種類があります。鉛釉は古代ローマ、中国、それに中世ヨーロッパで盛んに用いられ、現在も世界中で使われています。
錫釉は不透明で白色をし、中世イスラム世界の陶工たちによって開発され、スペインのラスター彩陶器、イタリアのマヨリカ陶器、それにヨーロッパのファイアンスやデルフト陶器などに用いられました。
釉薬に色をつけるには、金属酸化物を呈色剤として加えます。銅は酸化炎で焼成されると、鉛釉を緑色、灰釉を青色、アルカリ釉をトルコ・ブルーにかえ、還元炎では赤くなります。
鉄は、酸化炎で黄、褐、黄金色などになり、還元炎では青や灰緑の青磁釉となります。
そのほか、アンチモンによる黄、コバルトによる青、マンガンによる紫など、さまざまな色釉があります。長石は高温でのみ溶けるため、炻器や磁器に用いられます。
素地となる土と釉薬の組成、その組み合わせ、窯の操作などによって、陶磁器の仕上がりは千差万別です。